Bonanza-渡辺戦、今さらながら

あと1ヶ月を切ったコンピュータ連合vs清水戦に向けて出場者の方々は余念がないといった感じのようだが、そのコンピュータ側関係者のメーリングリスト上で、2007年のBonanza - 渡辺竜王戦で、Bonanzaの敗着とされた▲2四歩のところで正解とされた▲2七香が現在のプログラムには指せるようになっているのか、という話題がでていた。
詳細は渡辺竜王のブログで。
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/44150b5b5d9e8d6d04a84292a13ce277

しかし、そもそもこの手はしばらく後に出てくる渡辺竜王の△3九竜の決め手が読めていないと指せない手である。
そこで私がMLで△3九竜は指せるようになっているのかと質問をしてみたところ、鶴岡さんから以下のような返答をいただいた。
「激指の場合△3九竜は指せないのですが、その理由は、△3九竜と切られた場合、

▲3九銀△2八金打▲同馬△同歩成▲同玉△2七歩打▲3八玉△7七角成▲2二と
△同馬▲4五飛打△5九飛打▲2四香打△5八飛成▲4八銀△4九角打▲3九玉
△4四歩▲2二香成△同玉▲2三銀打△同玉▲2四金打△3二玉

のような読み筋で、先手優勢 (+900点ぐらい) だと思っているからです。」

同様の指摘がなされているブログ (http://44840889.at.webry.info/200703/article_49.html)も発見し、もしや▲同馬と取ればBonanzaが勝っていたのではないかと色めき立ったのだが、この変化についても渡辺竜王が後手勝ちと言及しているというブログのエントリー(http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/1977e7817f440550ab9dc476697998f8)を別の方が指摘され、さらに山下さんから
「100手目△2八金▲同馬△同歩成に▲同玉は
△6八飛と打って、
▲4八金には△同飛成▲同銀△4九角で必死で竜王の勝ち。

それ以外の合駒、王逃は全部負けなので、△2八金に▲同馬と取る手は成立しないようです。」
という明確な手順も示され、決着を見た。

結局、△3九竜自体指せない以上、何手も前に△3九竜で負けになることを見越した手を指すことは当然無理。
これはコンピュータのいくつかある負けパターンの一つだと考えられ、この穴を埋めるのが証明数系の必死専用ルーチンのような気がする。(岸本に期待)