メジャーリーグの数理科学

メジャーリーグの数理科学、上下巻を図書館で借りてきて斜め読みした。
自分のような数字好きにとってはいろいろ面白い統計が載っていて楽しめた。

以下一部抜粋。
1.最小2乗法による得点への貢献率(1954-99年データより)
単打:0.52、二塁打:0.66、三塁打:1.17、本塁打:1.49
=> 平均するとホームランは単打3本分くらいの価値ってことか。
長打率の1:2:3:4は極端、前にOPSという指標が得点との相関が高いそうだと書いたが2:3:4:5なので確かに上の比率により近い。
なるほどー。

2.アウト数、塁の埋まり具合状況別期待得点(1963年データより)
アウト数の種類(3通り)×3つの塁の埋まり具合(2^3=8通り)=24通りごとに期待得点が載っている。
これで個人的に一番興味があるのはノーアウト1塁と1アウト2塁での期待得点。
要は送りバントが有効かどうかが知りたい。
これは前者0.813対後者0.671となる。
この結果から単純に考えると、送りバントによりわざわざ0.142点も期待得点が低い状態に自ら遷移していることになる。
ただし、期待値は低くても1点以上取る確率は高いという可能性もある。
例えば最終回で同点というような局面では、5点も6点も取っても意味がないがとにかく1点欲しいという状況になるので期待値はあまり意味がない。
ではその数値はどうか。
ノーアウト1塁で1点以上得点する確率:0.396
1アウト2塁で1点以上得点する確率:0.390
これはかなり僅差になったが、この結果からも送りバントが有効でないという結論が出てしまう。
あと、ノーアウト2塁と1アウト3塁という送りバントがよく使われる状況も見てみたが、これは期待得点はやはり前者が高い(1.194 > 0.980)が、1点以上取る確率は後者が逆転している(0.619 < 0.693)。
いやー面白い。
もちろんこれらの数値はだいぶ昔の大リーグの平均的打者と平均的投手の対戦の数値なので、あらゆる状況で送りバントが否定されるようなものではもちろん全くないのだが、監督の勘ピューターでやらせていると損をしているかもしれないということくらいは示唆しているんじゃないだろうか。